お盆ってなに?子どもにもわかりやすく伝えるための基礎知識

「お盆」は日本の伝統行事ですが、子どもたちにとっては「夏休みにおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行く日」というイメージかもしれません。子どもから「お盆ってなに?」と質問されて分かりやすく説明できない大人も多いのではないでしょうか。この記事では、お盆の基礎知識について解説します。子どもたちにわかりやすくお盆の文化を伝えましょう。
お盆について、子どもの疑問にどう答える?
まずは、お盆についてよくある疑問と、子どもにも分かりやすく答えるための言い換え例を紹介します。
お盆ってなに?
お盆とは、「一年に一回、夏にご先祖様の霊をお迎えし、ご供養をする期間」です。
子どもにお盆の意味を説明する時は、「天国にいるご先祖様がおうちに帰ってきてくれる日」「ご先祖様にありがとうの気持ちを伝える日」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。
お盆っていつ?
8月13日から16日の4日間行う地域が多いと言われています。
一部関東圏では1か月前の7月13日から16日をお盆と設定している地域もあるようです。お盆がいつか分からない場合は、お住まいの自治体などに確認するとよいでしょう。
ご先祖様ってだれ?
ご先祖様とは、「既に亡くなった数世代前の血縁者」のことです。
子どもに説明するときは、「お父さんやお母さんのお父さんお母さん、そのまたお父さんお母さん…」と言い換えると伝わりやすくなります。写真などを用いて家系図を見せながら説明すると、よりイメージしやすくなるのでおすすめです。

お盆の過ごし方
つづいて、お盆の過ごし方についてご紹介します。迎え火・送り火、精霊馬・精霊牛などの有名な風習をはじめ、避けた方がよいとされている過ごし方についてもご紹介します。
迎え火・送り火

玄関先や庭で、焙烙(ほうろく)と呼ばれるお皿におがらをのせて火を焚きます。
お盆の初日に焚く「迎え火」は、ご先祖様の霊が迷わず帰ってくるための目印になるといわれています。お盆最終日には「送り火」を焚くことで、ご先祖様の霊をお見送りします。
京都の「五山の送り火」、長崎の「精霊流し」などが送り火の有名な例です。
お盆飾り
・「キュウリの精霊馬、ナスの精霊牛」

どちらもご先祖様の霊が行き来するための乗り物としてお供えします。キュウリの馬は、早く帰って来れるように、ナスの牛はお土産を持ってゆっくり帰れるようにという意味が込められています。
精霊馬と精霊牛は、キュウリ、ナス、割りばし又は爪楊枝があれば簡単に手作りすることができます。子どもが制作する場合は、割りばしや爪楊枝でケガをしないようにしっかり見守っておきましょう。材料の準備が難しければ折り紙で作って飾るのもよいです。精霊馬、精霊牛は、お盆が終わったらそのまま捨てず、塩で清めた後に白い紙に包んで捨てるようにしましょう。
・「盆提灯」

ご先祖様の霊が迷わないように、灯りをともして目印にします。
・「ほおずき」

盆提灯と同じく、ご先祖様が迷わず帰って来るための目印として飾られます。
お盆の間、ご先祖様の霊の居場所になるとも言われています。
お墓参り

掃除しやすい服装で、生花や菓子・飲み物を供えるための準備をして行くとよいです。
暑い時期でもあるので、無理のないタイミングでお参りして、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えましょう。
精進料理

お盆期間中の食事は、野菜中心の精進料理がふさわしいとされています。
団子、天ぷら、そうめん、おはぎなども定番の食べ物です。
盆踊り

夏のイベントとして多くの人たちから親しまれている盆踊りも、本来はお盆の風習として、ご先祖様の霊をもてなし喜んでもらうためにおこなわれていました。今ではお盆の期間以外でも、気軽に参加できるイベントとして親しまれています。また、豊作祈願という意味も込められているようです。
避けたほうがよい過ごし方
お盆期間中は、避けた方がよいこともいくつか存在します。お子様とお盆休みを過ごす上で確認しておくとよいでしょう。
・水辺に行く
お盆の時期に海に入ると霊から足を引っ張られるという言い伝えがあります。言い伝えだとしても、お盆が台風や大雨の影響で水辺が危険な状態になりやすい時期であることは事実です。水難事故を起こさないためにも、お盆期間中水辺に近づくことは避けた方がよいでしょう。
・生き物を粗末に扱う
ご先祖様は、生き物に乗って現世に戻ってくるとされているため、生き物を粗末に扱ったり、肉や魚を食べたりする事もなるべく避けた方がよいとされています。
・針仕事
もしお盆期間中に針仕事で出血してしまうと、ご先祖様に対して失礼であるとされています。同様に、とげのある花や血を連想させる赤色の花を飾ることも控えたほうがよいでしょう。
・結婚式などのお祝い事
お盆はご先祖様の霊をお迎えする行事であるため、お祝い事全般は避けるべきとされています。絶対に行ってはいけないという決まりはありませんが、気にされる方も多いので、日程を決める際は慎重に行いましょう。お盆期間の引越しも、ご先祖様を家にお迎えできないということで控えた方がいい行動の1つです。
まとめ
お盆とは、「天国からご先祖様をもてなし、ありがとうの気持ちを伝える日」です。
最近では、お盆の過ごし方は多種多様なので自分に合った方法で行うといいでしょう。
楽しみながらお盆の習慣を取り入れれば、子どもたちが家族やご先祖様とのつながりを感じるきっかけになるかもしれません。