はさみを保育園で使用するねらいとは?製作方法や注意点もご紹介

2〜4歳頃の子どもが通う保育園では、保育士さんがはさみの使い方を指導するケースがあります。 はさみが使えるようになれば工作遊びなどの幅が広がりますが、安全に正しく使えるように指導しなければなりません。
この記事では、保育園ではさみを使う目的、はさみの使い方や練習方法について説明しています。 はさみを使う際に注意すべきことや子どもとの約束ごとに加え、はさみの練習になる製作例を提案しているので、参考にしてみてください。
はさみは何歳から使い始める?

はさみは工作遊びの幅を広げてくれる便利な道具ですが、使い方を間違えると人を傷つけてしまうリスクがあります。 そのため、何歳頃からはさみを使ってもいいのか、判断に困ることもあるかもしれません。
一般的には、2〜3歳頃にかけてはさみを使い始めるケースが多いようです。はさみの開閉を補助するバネのついたはさみなどもあり、その場合は1歳半頃からはさみを握れることもあります。 いずれの場合も、保育士さんの話を座って聞けて、約束ごとが守れて、落ち着いて遊びや活動に取り組めるようになったかどうかを目安にし、タイミングを計ることをおすすめします。
保育園ではさみを使用するねらい
保育園ではさみを使うねらいには、以下のような目的が挙げられます。
- 道具を正しく使えるようになる
- 道具を使って工作などの遊びを楽しめるようになる
- 作品の作り方を工夫することで想像力や発想力を養う
- 手先の器用さ、脳の発育を促す
まずは、はさみという道具の使い方に触れるところから始めます。 慣れてきたら徐々にはさみを使った工作遊びなどを行い、はさみを使った表現や製作の楽しさを味わえるように工夫しましょう。 子どもたちの様子を見ながらねらいを設定し、無理なく進めていくことが大切です。
はさみの持ち方と練習方法

最初は、はさみの正しい持ち方を子どもに示すところから始めます。 はさみの刃をおへその反対側に向けて、小さい方の穴に親指を、大きい方の穴に人差し指と中指を入れ、はさみを持ちます。 そのまま手をグーパーさせることで、刃が開いたり閉じたりします。
動きが安定しないこともあるので、最初は机に手を付けてはさみを動かすことをおすすめします。 子どもが左利きの場合は、左利き用のはさみを用意してください。
以下に、「一回切り」「連続切り」、「連続切り」というはさみの練習方法をまとめました。 順番に練習してみましょう。
一回切り
はさみの正しい持ち方と動かし方が身についたら、一回切りから練習をスタートしてください。 一回切りでは、はさみを一度だけ開閉して紙を切ります。
1〜2cm幅の細長い画用紙を準備して、利き手とは反対の手でしっかりと画用紙を持ちます。 その際は脇を締め、おへその前に紙を持ってくると安定します。 そのまま1回切りを何度も行うことで、「切る」という感覚を覚えることができます。
連続切り
一回切りが上手くできるようになったら、続いて連続切りの練習に移ります。 連続切りでは、はさみを連続で開閉させて紙を切ります。
まずは、2〜3回で切り終えるように5〜6cm幅のハガキ程度の画用紙を準備します。 はさみの先ではなく奥の刃を使うと切りやすくなります。 刃を最後まで閉じるのではなく、途中で止めては開くことを繰り返してはさみを進めていけるように意識しましょう。 慣れてくると、もっと幅の広い紙でも切れるようになります。
曲線切り
一回切りと連続切りができるようになったら、曲線切りに挑戦してみてください。 曲線切りとは、連続切りの要領で連続したはさみの開閉によって円や曲線に切ることです。
曲線を切る時は、紙を持つ位置やはさみを入れる角度に気を付ける必要があります。 はさみではなく紙を動かす方が切りやすいので、子どもの様子を確認して声を掛けながら行ってください。 大きな紙を用意して、あらかじめ円や曲線のガイドを書いておくと、子どもがはさみで切りやすくなります。 最初は半円形などから始め、上手く切れるようになったら円形や波線などにチャレンジしてみましょう。
はさみを使った製作にチャレンジ
はさみの使い方に慣れたら、実践としてはさみを使った製作にトライしてみましょう。 以下に、工作のアイデアをご紹介します。保育園で保育士さんと一緒に遊びながら製作をすることで、はさみやのりといった道具を使う訓練になります。 馴染みのある身近なモチーフで簡単に作れるため、ぜひ挑戦してみてください。
ピザ

【用意するもの】
色画用紙(赤、黄、緑、ベージュ色など)、はさみ、のり
- 赤とベージュ色の画用紙を曲線切りで円形に切る。一番大きい円をベージュ、やや小さい円を赤、一番小さい円をベージュで用意する。
- 下からベージュ、赤、ベージュと3枚の丸い画用紙を重ねて貼り合わせ、ピザの土台を作る。
- 帯状にした赤や黄、緑の色画用紙を、一度切りで切り、具材を作る。
- ピザの土台の上に具材をのりで貼って、完成。
まだはさみの練習中の子どもは一度切りで具材を切り、はさみを上手く使える子どもは土台を切ってみましょう。 子どもの成長に合わせて作成してみてください。
はさみを使用する際のお約束

保育園ではさみを使う際は、以下の点に気をつける必要があります。
- 座って使用する
- 全てのはさみにキャップをつける
- 子どもの手の大きさや利き手に合ったはさみを使う
- 保育士さんが見ていない時にははさみを使わない
- はさみの先や刃をお友達や保育士さんの方に向けない
はさみは刃物です。安全のための約束ごとを守らないと、自分やお友達、保育士さんに怪我をさせてしまうこともあります。 はさみを使う前には、これらの気をつけるべき点を子どもと約束するようにしてください。 繰り返し確認することで、自然と身につくようになるでしょう。
まとめ
保育園ではさみを使用するねらい、はさみの使い方や練習方法、製作例と子どもとの約束ごとについてお伝えしました。 はさみは、間違った使い方をしてしまうと怪我に繋がる道具です。
保育園での活動に取り入れる方法やタイミングに悩むかもしれませんが、この記事でご紹介したようにステップを踏んで練習を行うことで少しずつ使えるようになります。 また、はさみの扱いについて子どもと約束をすることも必要です。
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