保育園児が乗る「お散歩カート」とは?使われる理由と種類も解説

保育園や公園の近くでは、保育士さんが子どもたちを乗せた大きなカートを押して移動している様子を見かけることがあります。「お散歩カート」、あるいは「お散歩カー」と呼ばれているカートは、形状や大きさも様々です。
この記事では、お散歩カートが使われる理由や性能の一例に加え、使ううえで気を付けるべきポイントをまとめました。お散歩カートについて知りたい方、使用する方、購入を検討している方は参考にしてみてください。
お散歩カートとは
お散歩カートとは、中型から大型のベビーカーを指します。主に保育施設内に外で遊ぶスペースがない都市部の保育園で、近くの公園等に子どもたちを連れて行く際に使われています。車の往来が激しいエリアを通る際も、なるべく危険を減らして目的地へ行くことができます。
お散歩カートはサイズ展開が豊富で、二人乗りから八人乗りまで展開されています。また、立ち乗りタイプや座席のあるシートタイプもあり、子どもの月齢・年齢や体力、移動距離による使い分けも可能です。

お散歩カートが使われる理由
これから公園等で外遊びをするとはいえ、「せっかくならお散歩カートを使うのではなく、歩いて移動すればいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、保育園でお散歩カートが活用されている背景には、いくつもの理由があるのです。以下に、主な理由を三つまとめました。
移動時の危険を防ぎやすい
一つ目の理由は、移動中の危険を防ぎやすいことです。様々なものに興味を持つ子どもは、時には突発的な行動をとることもあります。カートに乗せて移動すれば、突然走り出す、飛び出すといった危険な行動をある程度制御できます。
歩けない子どもも移動できる
二つ目の理由は、歩けない子どもであっても移動できることです。自力で歩けない月齢・年齢の子どもや、体調や機嫌の良し悪しで歩けない子どもであっても、お散歩カートを使えば一緒に外遊びに向かえます。自分で歩けない子どもも、外の環境や公園等の自然と触れ合うことができるので、健全な情緒の育成に役立ちます。自然の中で過ごす時間は、子どもたちの感性を刺激し創造力を膨らませるような遊びにもつながっていきます。そうした遊びのひとつに、ごっこ遊びがあります。 ごっこ遊びについては別のコラムでご紹介しているのでぜひご覧ください。
避難車として活用できる
三つ目の理由は、非常時に避難車として活用できることです。お散歩カートは、災害等で避難が必要な際に一度に多くの子どもたちをできるだけ安全に運びやすいです。普段から乗り慣れていれば緊急時に大人が誘導しやすく、パニックが起きにくいという利点もあります。
お散歩カートの性能の一例
お散歩カートには、様々な機能が備わっています。なかでも、保育士に嬉しい性能を以下にご紹介します。
ドアが開閉できる
主に八人乗りの大きなお散歩カートには、開閉できるドアが備わっているタイプがあります。保育士が抱き上げて乗せるのではなく、子どもが自分で乗り降りできます。子どもの自主性を高められる上、保育士はあまり労力を使わずに済みます。
ノーパンクタイヤ
ノーパンクタイヤとは、タイヤの中までゴムやウレタンで作られたタイヤのことです。そもそも内部に空気が入っていないため、パンクや空気漏れも起こりません。空気が入っている通常のタイヤがパンクするとその後の移動に支障が出てしまいますが、ノータイヤパンクの場合はそのリスクをなくすことができます。非常時にお散歩カートを避難車として使うことを考えるのであれば、ノーパンクタイヤがおすすめです。
お散歩カートを使ううえで気を付けること
最後に、お散歩カートを使ううえで気を付けるべき点をお伝えします。
園児の様子に注意を払う
お散歩カートは、飛び出し等の危険な行動をある程度制御することができる乗り物です。しかし、身を乗り出してしまったり手を出してしまったり、カートに乗っていても危ないことは起こります。危険な行動をとっている子どもはいないか、落ちそうになっている子どもはいないか、常に注意を払い、目を離さないようにしましょう。
カートへの乗り降りの順番をあらかじめ決めておくことで、乗り降りがスムーズにでき、リスクを減らすことにも繋がります。
紫外線から守る
お散歩カートは、紫外線の影響で劣化してしまいます。できるだけ長く使いたい場合、紫外線にさらさないことが大切です。使わない時は屋内に入れて保管すること、屋内での保管が難しい場合は保護カバーをかけることをおすすめします。
まとめ
幼い子どもたちがお散歩カートに乗せられている様子は、とても可愛らしく和む光景です。使用・購入する側に立たないと分からないことですが、お散歩カートはまとまって移動するための手段というだけではなく、様々な理由があって使われているのです。
また、ご紹介したもの以外にも備わっている性能や注意すべき点はあります。使用する際、あるいは購入する際は、性能や注意点をよく調べておくことでより安全かつ効果的にお散歩カートを使うことができるでしょう。